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インディアン・ウェディング

こんにちは。週末から、一時間前倒しのサマータイムになりました。あちこちで花が咲き乱れ、すっかり春らしくなり、気持ちもホッとほぐされる心地がします。

この日曜日は、旧知のインド人一家の娘さんの結婚式に招かれ出席してきました。インドの結婚式は数日にわたって行われるのだそうですが、この日は最終日で、大変盛大なものでした。

ロンドン北西部にあるヒンドゥー教の寺院の二階が大きなホールになっていて、そこを貸し切って行われたのですが、最奥のところにステージがしつらえられ、そこにマンダップという、祭礼を執り行うための飾り付けられたテントが立てられていました。イベントホールのように、このステージを前に客席がずらりとホール手前まで隙間なく並べられています。ホストである友人たち(新婦の両親)に迎えられ、彼らの家族、親戚、友人に紹介され、ステージ間近の客席へ。みんな、粋を凝らした贅沢な衣装に身を包み、お喋りに興じ、その煌びやかで賑やかで和やかなこと。ボリウッド映画の世界・・・

まずは花婿入場。おそらくは新婦の一家の入口を象徴すると思われる、横倒しに高く掲げられた赤い棒を境に、新婦の母が花婿と向かい合って、花輪を首にかけるほか、迎えるためのこまごました儀式があります。それから新郎は足元に置かれた赤い飾り玉のようなものを踏み潰すのですが、これは、新郎の力強さをアピールするジェスチャーだそうです。その後、彼は新婦の父に抱きかかえられて(!)奥まで運ばれていきます。大事な花婿をこれ以上歩かせられません、というわけです。お父さん、成人男子を抱えて歩ける力が要求されます。大変です。

次に、新郎の女性家族や近しい親戚などが贈り物を持ってきて、新婦側の女性家族や親戚たちと顔合わせがあります。皆、色とりどりの衣装で豪奢に着飾っていて、とても美しかったです。

その後、新郎はマンダップへ誘導され、新婦両親に足を洗ってもらう儀式を受けたあと、前を白い布で遮られ、花嫁の姿を見られないようにされてから、花嫁が入場。マンダップに登壇、着席後、布が取り払われて、ようやく、二人そろっての儀式が始まります。

ここまでだけでも結構色々細かくあるのですが、ああインドなんだなあと思ったのは、彼らが本当に時間にとらわれないこと。友人によれば、「式自体は2時間くらいで終わるから、あとはごはん食べて帰ってね~」という話だったのですが、なんのなんの、配られた式次第を見れば、2時間経って予定の半分も進んでいませんでした。儀礼の指導は僧侶がしていましたが、全体の進行役がいないみたいで、皆、談笑しながらゆるゆるとやっていくのです。途中、色々ハプニングも起こり、そのたびに中断したりするのですが、舞台の上でも、観客席でも、誰もかれもが、何も気にせず、広いホール内を自由に歩き回り、ステージからも降りたり登ったりして、好き放題に喋っています。

そのうち、ホールの後方で食事が供され始めました。儀式の最中に、そっちのけでご馳走を食べているのにはかなり驚いたのですが、皆当たり前のようにやっています。私自身、午後からどうしても抜けなければならなかったので、ホストの勧めで食事を頂くことになりました。食事はブッフェスタイルで、私たちはそれぞれ、使い捨ての区分けされたお盆のようなお皿を持って並び、給仕さんたちによそってもらうのです。サモサやカレー数種類や、甘いお菓子、サラダやチャパティなど、いくつもの料理が盛りつけられてから、各自、いくつか用意されたテーブルで入れ替わり立ち代り席を確保して好きに食べていきます。この間にもマンダップの中では式が進行しており、火を点してその周りを回るという儀式を始めようとしたところ、火災報知器が鳴り出し、煙は上がる、子供は泣く、音楽も二・三種類、同じホール内の前方と後ろとで違うものが流れていたりして、招待客も数百人規模で、皆、それぞれ勝手にやっていて、もうとにかく、何がなんやら訳がわからない、素晴らしくカオスな世界が展開されていました。

自分がこれまで参加したことのある結婚式とはあまりに異なり、びっくりすることだらけだったのですが、この、のんびりとくだけていて、賑やかで騒々しい場にいることが面白すぎて、ウキウキと大笑いしたいような気持ちになりました。もともとホスト一家が信心深く善良な人々であることが大きいのでしょうが、親しみやすく、誰でもウエルカムな、懐の深くあたたかい結婚式に、心から癒されたことでした。幸せをわけていただいたと感じています。お招き、本当にありがとうございました。

美男美女の新郎新婦の、末長い幸せを心からお祈りしつつ。



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風呂本佳苗

Author:風呂本佳苗
日本とイギリスを拠点に演奏活動しているピアニスト。ヨーロッパ各国、アメリカ、中国、シンガポール、タイ等にもときどき出没。英国王立音楽院を卒業、同演奏専攻科修了、およびロンドン大学音楽修士課程修了。夫の某推理小説家と、白柴とゴールデンレトリーバー各一匹と同居。

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