本当にあった怖い話

こんにちは。近所の桜が咲き始めて、いよいよ春らしくなってきました。イギリスでよく見かける桜は、日本の桜とは種類が違うようで、早いときには2月中頃から咲き始めることもあります。

先日は啓蟄の日でしたね。啓蟄とは「冬籠りの虫が這い出る」(広辞苑)という意味だそうですが、私がこの言葉を知ったのは小学生の時で、日常ではめったに使わないものですが、個人的に腑に落ちることがあって、すんなり覚えられました。タイトルで怪談を期待された方、ごめんなさい。

子供のころ、丘の上にある保育園に通っていて、行き帰りの道は豊かな自然にあふれていました。
ある雨の日、通園のために父に連れられていつもの道を歩いていたとき、ふと何気なく下を向いた瞬間、固まってしまいました。
なんと、足元の白っぽい舗装道路一面、何メートルにもわたって、びっしりとミミズの大群が這っていたではありませんか。大きいの、小さいの、太いの、細いの・・・ ものすごい数のミミズが、黒く道を覆っていました。
話しながら歩いていたので、気づかないうちに踏み潰してしまったものも、おそらく沢山あったでしょう。悲鳴を上げた私に驚いた父がやはり足元を見て、二人で暫し呆然と佇んでしまいました。さすがの父も、大人とはいえ、あれだけの数のミミズが集まっているのは気味が悪かったと思われます。
あの頃、昆虫パニック映画をよくテレビでやっていましたが、リアルでそれに類する異常な光景に出くわしてショックでした。できるだけミミズを踏まないように、父にしがみついて泣きながら、つま先で無理やり隙間を縫ってジャンプしながら、その一帯から逃げ去ったのをよく覚えています。
保育園の帰りには雨があがり、道が乾いてしまったせいか、あの大群はすっかり消え失せていましたが、踏み潰されてしまった不運な何匹かの死体は残っていました。あんな現象に出くわしたのは後にも先にもその時だけでしたが、あまりにも強烈だったので、ずっと心に残りました。

あれがいつの季節のものだったか、実際には春先だったかどうかすらわからないのですが、何年も経って「啓蟄」の言葉を知った時、あの日の出来事と言葉のイメージがぴったりと重なり、自分なりに納得のいく回答が見つかった気がしてひどく感銘を受け、すんなり覚えられたのです。子供心に、「啓蟄」の状態を実際に「見た」と思ったのですね。

今となっては、もっと科学的根拠のはっきりした原因があったのだろうと考えられますし、その原因を改めて知るのも面白かろうと思いますが、・・・世界は本当に、不思議に満ちていますね・・・


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風呂本佳苗

Author:風呂本佳苗
日本とイギリスを拠点に演奏活動しているピアニスト。ヨーロッパ各国、アメリカ、中国、シンガポール、タイ等にもときどき出没。英国王立音楽院を卒業、同演奏専攻科修了、およびロンドン大学音楽修士課程修了。夫の某推理小説家と、白柴とゴールデンレトリーバー各一匹と同居。

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