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里の秋

 7月に合唱コンサートで伴奏をするので、先日、練習に参加した時のことです。プログラムの一曲「里の秋」(作詞:斎藤信夫、作曲:海沼実)について、合唱指導のS先生のお話がありました。
 「里の秋」は、もとは斎藤信夫が戦時下に書いた「星月夜」という歌で、「星月夜」3番と4番では戦地にいる父の武運を祈るとか、自分も大きくなったら兵隊になって国を護るという内容だったそうです。この中では、子供は一人になってしまっていて、いつのまにか一緒に父を待っていたはずの「母」すらいなくなっている、そんな歌詞が基になっているんですよ…とのことでした。
 調べましたところ、終戦後、ラジオで引揚者を迎える曲を流す番組があり、その意図にあわせて「星月夜」1番と2番はそのままに、もとの3番4番は新た作った、父の無事の復員を待つという内容の3番に変えて、曲をつけ、タイトルも「里の秋」にしたとありました。
 恥ずかしながら、「里の秋」の歌は子供の時に習って、ちゃんと覚えているのは一番の、「しずかなしずかな・・・」のいかにものんびりした平和な歌詞だけで、2番ですらもおぼろげな記憶しかありませんでした。今回の伴奏で楽譜を渡されて初めて3番の歌詞を知り、改めて歌の全容を把握して、その意味にぎょっとしたのですが、それにとどまらず、その前身である「星月夜」という歌の存在を知ることになり、たいへん深い思いに打たれました。童謡イコール無邪気な子供の歌、という自分の思い込みをしたたかに矯め直された気がいたします。

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風呂本佳苗

Author:風呂本佳苗
日本とイギリスを拠点に演奏活動しているピアニスト。ヨーロッパ各国、アメリカ、中国、シンガポール、タイ等にもときどき出没。英国王立音楽院を卒業、同演奏専攻科修了、およびロンドン大学音楽修士課程修了。夫の某推理小説家と、白柴とゴールデンレトリーバー各一匹と同居。

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